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三人寄れば文殊の知恵

三人寄れば文殊の知恵

高野山紀行

和歌山港から、和歌山城を横目で見ながら、
和歌山市内を横断するように抜けて、
国道24号を東へ向かいます。

かつらぎ町からいざ山登り!
かつらぎ町からは梨の木峠という対向がしづらい細い道を
通りますので、初めての方は九度山まで進んでから
上るほうがおすすめです。

延々とこれでもかというぐらいにくねくねの山道が続きます。
途中花坂というところで売店などがあります。
ちょうど上までの半分くらいなので、初めての方はここで休憩です。

少し暗くなってから高野山の大門到着!
いきなり空が開けて町が現われるのではじめての方は驚くでしょう。
こんな山奥に都市が存在するとは!

比叡山のように山の中に建物がポツポツあるのではありません。
高野山平原とでも言う長さ4キロ幅1キロぐらいの盆地が
標高1000メートルぐらいの山上に広がっています。

弘法大師はその実力もさることながら運にも恵まれていました。
このように下界と隔離された平地を見つけることは、
先を見る眼だけでは不可能です。

この大門から一の橋(奥の院の入り口)にかけて53の塔頭寺院が
存在して奥の院を含めて金剛峰寺というお寺を形成しています。

いうなれば広大な境内地の中に町があると
考えていただいたらいいでしょう。

現在では高野町という町になっており、
人口は4000ぐらいでしょうか?
日用品を売る店はもちろん
コンビニもあります。

公共交通機関を使っても行けます。
南海電鉄の「なんば駅」(大坂)から南海高野線で
終点の極楽橋まで行きそこからケーブルカーで高野山駅へ。
特急を使うと2時間ぐらいです。

高野山駅に着いたらこれも驚きです。
土産物屋さんがあるだけで、何もありません。
ここから町までバスを使います。
歩いてもいけなくはありませんが遠いです!

高野山の泊まりはほとんど宿坊です。
宿坊というと、ちょっと敬遠しがちです。
普通の旅館もありますが、せっかくですから
宿坊を選びましょう。

ただ、お寺によって泊まりの金額など条件が違いますので、
あらかじめ調べたほうがいいでしょう。

私はかつて3年間ほど居候させてもらった
金剛三昧院に泊めていただきました。

金剛三昧院は北条政子が源頼朝の菩提のために建てた寺院で、
当時は禅宗(臨済宗)でしたが、後に真言宗に変わったといわれ、
10代ぐらいまでは天台宗などからも住職を招聘してます。

開山法要は栄西禅師が勤め、初代住職は高弟の行勇禅師です。
当時の禅宗(臨済宗)は現在のものと異なり、
禅・密・戒の三宗兼学です。
現在の禅宗よりは真言宗に近いといえるでしょう。

室町時代になっても足利家の信仰を受けて発展。
かつては10万石の所領があったとも伝えられる巨大寺院で
高野山の中心から離れていることもあり
度重なる大火から逃れました。

それ故、高野山の宝物の約半分がこの寺に伝えられているとも
いわれています。

高野山においでの際はぜひお立ち寄りください。

高野山の大門横の道を真っ直ぐ下って行くと
左側に壇上伽藍が現われます。

高野山というと奥の院・そして金剛峰寺をお参りする人が
多いですが、高野山の中心は実はこの壇上伽藍です。

すぐに見えるのが金堂で、高野山の行事がよく行われています。
おすすめは春・秋の結縁灌頂です。

その手前の石段を上がると中門の礎石があります。
何度も復興しようとしていますが予算の関係で出来ません。
取次ぎいたしますので、どなたか30億ぐらい
寄付していただけませんか?

金堂の右奥に巨大にそびえ立つ朱色の塔が
根本大塔で高野山の中心的建物です。
内部は密教が大日如来から伝えられたという
南天竺の鉄塔を模しているといわれています。
一度でも内部に入ったならば極楽往生間違いなし?
とも言います。

一方金堂の後ろの平たい屋根の建物が御影堂といい、
弘法大師を真如親王が描いたお姿が納められています。

この御影堂と根本大塔と金堂との間に空地がありますが、
この空地はお大師様が亡くなられたところといわれていますので
入ってはいけません。

壇上伽藍には説明した以外の建物もあります。
あと重要なのは西塔と四社明神社、不動堂です。

西塔は根本大塔と対をなす建物です。
根本大塔が金剛界、西塔が胎蔵界の仏を祀っています。
それだけなら普通ですが、なんと中心佛が入れ替わっています。
すなわち、根本大塔が胎蔵界、西塔が金剛界の
大日如来を祀っています。
西塔は金堂から御影堂のさらに左奥にひっそりと、
お参りする人もなく木々に囲まれて立っています。

その西塔の正面の方向に高野山を守護している
四社明神社があります。
この正面の拝殿である山王院では毎月法要が行われています。

一方、根本大塔から右へ下るとすぐの建物が、
高野山最古の建築物といわれる国宝の不動堂です。

他の建物も興味がおありでしたらお参りください。
根本大塔の右側をさらに下って行くと、金剛峰寺前に出ます。
金剛峰寺は大高野山の中心の建物と期待するとがっかりします。
拝観できる一つのお寺ぐらいに考えましょう。
中でお茶のお接待もいただけますし、法話も聞けます。
意外にリーズナブルでは?

金剛峰寺前から奥の院に向けてメインストリートが伸びています。
お寺と土産物店が並んでいます。
たくさんありますから、一通り見てから決めましょう。
(時間があったらの話ですが)

ちなみに私がいきつけの店は、
数珠屋四郎兵衛、中本名玉堂、高野山大師堂です。

途中に観光案内所もあります。
宿を決めていない時はここで尋ねましょう。
少しずつ道は下っていきます。
一キロぐらい先で二股に分かれた道を左へ取ると、
奥の院の入り口である一の橋です。

一の橋から奥は石畳の道を歩いていきます。
両側には墓地が並び、杉の巨木に囲まれています。
有名な大名墓も所々点在しています。

巨大な五輪塔が苔むして、お参りする人もなく
あたかも時が永遠に止まったかのように
ひっそりとただずんでいます。

一キロほど歩くと道は二股に分かれ、
右を選ぶと御供所に着きます。

この二股は御廟橋の手前で一つになりますが、
往きと帰りは別のルートを選ぶのが決まりです。
御供所では奥の院の納経などが出来ます。

御供所を過ぎて御廟橋を渡ると、いよいよ御廟です。
この中は聖域とされ、物を食べたり、飲んだり、
あるいは撮影も禁止されています。

橋を渡ってすぐ左に「みろく石」というおもかる石があります。
願いごとがあってそれがかなうなら、
持ち上がるといわれています。
ちなみに私は一度も持ち上げたことがありません(汗)

階段を上がると灯籠堂といわれる拝殿があり、
その奥が弘法大師が眠っているとも言われる廟があります。
絶えず読経が聞こえますが
心が洗われるかのような静かな場所です。
一度高野山へどうぞ!


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